若い時からの習慣で、毎朝・毎晩の食事前に仏壇と三宝荒神さんに手を合わせ拝む、一族どもの健康・安全と自らの息災を願っている。
ところが今朝、どうしたことか拝んでいる最中に、色街で謂う「線香一本」を思い出し雑念に迷った。
私は若い時、終戦後の混乱期に飛田遊郭で働いたことがある、それはまだ売春禁止法施行以前で公然と売春の営業のあるときであったが、電力事情が悪くて停電が頻繁にあった、遊郭は夜の商売、電気が無くては、灯りが無くては商売にならない、
その停電を助けるために、いや、それを商売のネタに、バッテリを充電して夫々の妓楼に置き、別に配線した24ボルト電球を点灯させていた電気屋があった、そこで専らバッテリーの配達をしていた。
それやこれやで、色街のことは、かなり判っていた。「線香一本」はお客が娼妓と遊ぶ時間を帳場で線香を立てて測るもので、通常30分だったと憶えている。
しかし、神聖な神仏への礼拝に、トンデモナイことを思い出して恐縮至極であった。
カラダは売るが 心は売らぬ 健気なひとの いたところ